2014.04.18
POP富士一周ツアー。熊には気を付けよう!
何気ない、POP開店前の会話。
組長 「昨日の、富士一周イベントはどうでした??」 組長が聞いてきた。
店長 「まぁーO氏が、いたからペースが遅かったけどね。楽しめたよ。」
店長 「ただね。最後の方で熊が出てね。なんとか、体を張ってO氏を守れたから良かったけどね。」
店長 「熊には、悪いけど。俺の膝蹴りで一発KO。」
組長 「熊っすか!でも、体を張ってお客さんを、守るなんてさすが店長っす!」
店長 「おだてるなって!いやー熊さえ出なきゃ、もう少し走りたかったな~」
私(店長)は、胸を撫で下ろした。
どうやら、コイツ(組長)には、バレていない。
そう、
先日、私は、富士山一周120Kmに、POPイベントとして、お客様7人と行っていた。
数日前の事、
「店長、今度の富士山一周120Kmイベント、大丈夫ですか??」 組長が言う。
「バキャロー、俺は自転車屋の店長だぞ。今回は、ロードイベント初参加の方のも、いらっしゃるんだ。
俺が言ってサポートしないでどうすんだ!!」強い口調で私が言った。
「・・・」何も言えない組長。
その後の俺の行動は、「早かった。」、誤発注と見せかけた、自分用の部品の発注。
店長「いかん。お客様から頂いたステムを、二本注文してしてしまった。仕方ない。一本は自腹を切って買い取ろう。
幸い同じサイズなようだし。」
組長「自分のミスには、責任を持つなんて、さすが店長っす。」
研究と称した、DI2化。
店長「組長。たとえばだけど、お客様から電動(DI2)はどうか?と言う質問に、君はどう答える?」
組長「自分のは、電動じゃないのでわかりません!と答えます!!」
店長「ばか者!それじゃ答えになってない。自分が経験して、良さを知って、伝えることが、
我々にできる事じゃないのかな。わかった。では、私が断腸の思いで、
自分のバイクを電動化してみようじゃないか。」
組長「感動っす。」
そんな、やり取りの中、出来上がったのが、KOGA SOLACIO 長距離使用である。
スケルトンのコンセプトは、確かにスケルトンは、ロングライ向きかもしれないが
(チェーンステー長412mm?KOGAにしては、長めか。)
正直、固めのだと思う。フレームをベースに、頼むから、楽しにしてと願いを込めて、
柔らかめの手組ホイール。
空圧はかなり低めで。(でもクランクブラザーズのクイックに変えたら、剛性上がったような気がする。)
SILVAのモフモフ極太バーテープ。正確な変速の、DI2ドライブ。(10速だけど。)
フォローを、するとスケルトンは、ロングライドで、硬いフレームは、引き算出来るから、
どうにでも味付け出来る。
そして、当日は天気も良く、富士山を、眺めながら河口湖から、スタート。
メンバーは、私が厳選した、一緒に走って何とかついていけそうな人と、
遅れても待っててくれそうなベテランだけを、誘った。
少し話して、「ここから自走?」って、言った人は絶対誘わない事にした。
先日、ロードを買って頂いたばかりの女性もいるし、60歳代が二人。
いつもはMTBだが、今回何を思ったのか、ロードイベントに参加した人O氏もいる。
(恐らくはO氏も、店長が参加するなら大した事ないと、確信したのだろう。)
早朝の河口湖からの冷気が、顔に突き刺さる。
まるで、繁盛期の土曜日に、店を抜け出した店長に向けられた、組長とかみさんの視線の様だ。
しばらくして、湖畔から離れ、今日一番の勾配の坂に、差し掛かる。
元気の良い、ベテラン達が、あっと言う間に見えなくなるなか、
O氏は、ゆっくりマイペースを、守り続ける。ナイスO氏。
私は、良く出来た店長らしく「Oさん、無理しちゃいけない。ゆっく行きましょう。」と、
優しく声を掛け、O氏には、悟られない様に実は心地よいO氏のペースと、ともにした。
天気も良く景色も良い。
最高の自転車日和だ、道路沿いの牧場では、ヒツジやウシが、応援してくれている。
本当に良い気持ちいい。色々な角度から見る富士山も最高に綺麗だ。
そして、今日のメインイベントの最後の坂に差し掛かる。
この坂は10Km以上、続く最後の難関だ。
ここでの作戦は、余裕のあるポーカーフェイスで、O氏を気遣う振りをして、
さりげなくO氏のペースに乗っかる作戦。
先ほどの休憩時では、O氏は一人地面に、あぐらを、かいていた。体力は限界の様だ。
この作戦、初めは、うまくいった。
余裕のあるポーカーフェイスで、まだ体力がある、ローディー。
そして、ペースが遅いO氏を、一人にさせない、良く出来た店長。
早くて優しい男。最高だ。
だが・・・
中盤になって、私の膝が壊れた。
原因は、わかっている。
もちろん、全然走ってなかったのもあるが。
原因は、はっきりしている。
あの重たいM14を、持って山を走り回ったからだ。
ここに、書き込む事ではないので、あえて書かない事にする。
もし興味がある方は、店舗で話そう。
立場が逆になった、私をO氏が、やさしく、心配してくれた。
その優しさに、私のプライドは、崩た。
壊れた膝を引きずりながら、何とか、
みんなが、待っている頂上へ、たどり着いた。
そして、足が残っているベテラン達が、車を取りに行ってくれて、
私を、回収してくれた。(ありがとう御座います。すいません。)
これで、私の「富士山一周出来なかった。ツーリング。」は、終わった。
距離は丁度、100km。あと、20Kmだったのに・・・
そして、山中湖と言えば「ほうとう小作」で、みんなで晩御飯。
和気藹々、みんなで、今日の事を、話していると、かみさんから、電話が。
「どうだった?」との、かみさんからへの質問に、
私は、「ペースが、遅いO氏と、ゆっくり走ってたら、熊が現れた。
とっさにボンヤスキー(懐かしいK1選手。)並みの、俺の膝蹴りで、
なんとか倒したが。俺の膝も駄目になった・・・・
そんな訳で今、熊肉のほうとう食ってる。
ちなみに、熊肉ほうとうが、
3200円で、ちょっとビックリしてる。」と告げ、早々に、電話を切った。
この、我ながら良く出来た、咄嗟の話で、スタッフの組長、そしてかみさんは、
「良く出来た店長」だと思っているだろう。
「店長がO氏を、熊から守ったと」、今、POPでは、持ち切りだろう。
良かった、二人には、私が皆に迷惑をかけた事がバレてない。
そして、この日は、家に帰り、疲れ切った私は、泥の様に熟睡した。
そして、次の朝 開店前に、組長に昨日の事を話している。
当日あった、熊を、倒した事を。
冒頭での、やり取りの様に 組長には、ばれて居ないようだ。
組長と朝の雑談を、楽しんでいると、かみさんが、時計を指しながら、
「さ、そろそろ開店の時間よ。」と、言った。
そして、かみさんが、私の背中を、叩きながら、「今日もがんばりましょう!」
と。気合をいれる。
「さー開店するか、良く出来た店長が居る、自転車屋POPの開店だ!」
そして、私は、今日も、沢山の、お客様を迎える為、OPENの看板
を、掛けに入口に歩いて行った。
うん?バレてる??
